全校体制の指導とは?

生徒指導主事会義に参加すると、生徒指導提要にも示されているように、「問題行動は全校体制で取り組んでいます。」という学校が多くなってきたと思います。ただ、その中身を聞いて正直ぞっとしました。本当にそんなことやってるのかと思いました。全校体制に対する認識の違いなのかもしれませんが、私の考えを書きたいと思います。

なぜ全校体制が必要か?

生徒指導提要にも示されているように、問題行動に対して担任だけが苦しみ抱え込むのではなく、全校体制で対応するように示されています。これはいじめなどの重大事案などを分析していくとおそらく、一部の職員が何とかしようと孤軍奮闘し、結果どうにもならなくなってしまい。問題がより複雑になり深刻な事態になったものと推測します。また、担任などの一部の職員だけではどうにもならない状況が増えつつあり、全職員で対応に当たる必要があるのだと思います。では、多くの学校で今行われつつある全校体制とはどうなっているのか?生徒指導主事会での交流から書きたいと思います。

生徒指導主事会で言われる全校体制とは

生徒指導主事会で聞く、全校体制とは「私の学校では問題行動について、全職員から意見を聞き、どう対応していいのか話し合って方針を決めています」「僕の学校では全職員で問題行動について対応するように話し合いをしています」など。問題行動について全職員が知恵をしぼっているというものでした。こんなこと本当にやっているのでしょうか?何も問題が起きない平和な学校で、たまに何か突発的な事件が起きる学校であれば問題はないのですが、毎日なにかしらの問題が起きます。多い時は二つ三つと重なることもあります。それを全職員でどうしましょうと話し合っていたらどうなるでしょうか。職員は疲弊し、他の業務に支障が出そうな気がします。私もかつて、そうした学校にいましたが。話し合いが終わるのが、8時過ぎ。それから学年で打ち合わせをしたり。授業準備をしたりして。帰るのは10時過ぎが当たり前、遅い時は12時を過ぎることもしばしばありました。正直。ここの学校にいた3年間で3人退職されました。

私が考える全校体制

私が考える全校体制とは、①重大事案や問題行動を繰り返す児童生徒の共通理解 ②担任→学年主任→生徒指導主事→教頭・校長のホウレンソウの徹底 ③重大事案などのケース会の実施 ④学年主任会などそれぞれの方向性を明確にする

①重大事案や問題行動を繰り返す児童生徒の共通理解

多くの学校では打ち合わせが1週間に1回位置づけられていますが、そこで、学校で起きている問題行動やそれを繰り返す児童生徒の交流を行います。その上で職員の対応について連絡をします。例えば、物の紛失があるので、施錠をお願いするとか、A君は興奮するとしばらく落ち浮くまで廊下にいるので声をかけないでほしいなど、全職員がどう対応するかを明確に示し周知していくことが大切です。ここで皆さんどうしましょうなどとやっていると時間ばかりかかり、職員が疲弊することになります。

②担任→学年主任→生徒指導主事→教頭・校長のホウレンソウの徹底 

学校では毎日ないかしらのトラブルが起きます。子ども同士の喧嘩や器物破損、物の紛失などさまざまな問題が起きます。担任や教科担任が対応することになるのですが、学年主任への報告や生徒指導主事への連絡は欠かせません。その上で教頭・校長への報告が行われます。明らかに小さな問題であれば担任が対応し、迷った時は相談や報告をあげるようにします。具体的には子どもがケガをした場合。物がなくなったり、壊れた場合、いじめなど重大事案の場合、虐待など体に傷があった場合、リストカットなど自傷行為があった場合など必ず連絡をあげるように伝えています。それ以外に保護者からの相談やクレームの場合など担任だけでは対応が難しい場合です。

③重大事案などのケース会の実施

②で受けた内容をもとに、いじめなどの重大事案の場合。校長・教頭・教務主任・生徒指導主事を中心にケース会を行います。状況に応じて養護教諭や学年主任、担任なども一緒に入ります。ここでは正確な状況把握、具体的な対応を検討します。教育委員会への報告や虐待であれば児童相談所への連絡、保護者からのクレームであればスクールロイヤーへの相談など状況を把握し対応を検討します。

④学年主任会などそれぞれの方向性を明確に

③である程度方向性が決まったら学年主任を集め、それぞれの考えを聞きます。あるいは状況を伝え対応の方向を示します。例えば、父親と母親が離婚に向けた裁判をして親権について話し合われている場合は窓口を教頭先生にだけに絞り、他の職員は対応しないようにする。父親からの虐待で母親と子どもが逃げてきた場合は、電話をとりつがない。不審人物がいた場合は警察に連絡するなど。具体的は動きを示します。このように連携して対応することが全校体制だと考えます。全ての事案について全職員で話し合うのは少し違う気がします。言われてみれば今までもやってきたことだと思います。ただ、生徒指導提要でわざわざ示しているというのは、学校によっては担任だけが対応して悩んでいる所があるのではないでしょうか?

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