児童生徒理解?子どもづかみ?

文部科学省かれ出ている生徒指導提要には児童生徒理解には多面的に情報をつかみ指導に生かすとあります。まったくその通りなのですが、ここで示される内容から実際に何を見て、どう理解しないといけないのか?私の失敗から参考になればと思い紹介します。

初任のころの失敗

大学を卒業して教師になったころの話です。当時は校内暴力が盛んな時期で、私も中学2年生の担任をしていましたが、学級は崩壊し、毎日が戦場でした。当時、Aという元気のいい男の子がいましたが、会話は成立しませんでした。気に入らないと暴れ、授業になりませんでした。Aが学校を札業して数年がたったある日、パチンコ店で偶然会いました。正直、中学時代のことを思い出し、会いたくありませんでした。しかしAは私を見つけると寄ってきて、声をかけてきました。中学時代は「うるせー」ぐらいしか会話にならなかったですが、その時「先生」と声をかけてくれました。そして、自販機のコーヒーを買ってきてくれて「飲んで」といって、帰っていきました。別人なのか、成長したのか不思議な思いになったことを覚えています。のちにわかったことなのですが、当時、Aの父親が今でいうDVで酒によって暴れ、母親が必死で働き生活費を稼いでいたことが分かりました。やがてこの夫婦は離婚することになるのですが。Aはかなり苦しかったのだと思います。学校の姿だけ判断し問題児扱いしていた私の未熟さを感じた瞬間でした。

学校での様子だけではわからない子どもの心

子どもづかみのために、普段の様子を観察することはとても重要です。人間関係の苦手な子。明るく積極的な子。おとなしく真面目な子など学校での人間関係である程度子どもづかみができます。しかし、それだけで子どもづかみには限界があります。では何を見て子どもづかみをするとよいのでしょうか?私がやってきた方法を紹介します。

指導要録の記録を見る

今の姿だけではわからない今までの記録が指導要録です。ここから何を見るかというと、成績はどうか。勉強は苦手か?運動は得意か?絵が好きなのか?係の仕事は何をやってきたのか?クラスのリーダー的な存在なのか?引っ越しは何度しているのか?欠席日数は何日なのか?などここからある程度今までの様子を知ることができます。また、昨年度のまでの先生がいれば聞いてみるとよいでしょう。子ども掴みの助けになると思います。

家族構成を見る

学校には児童調査票や生徒調査票のような個人情報があります。その調査票から家族構成をつかむことができます。兄弟が何人いるのか。お父さんはいるのか・お母さんはいるのか。おばあちゃんとは同居なのかなど、そこからその子どもどんな生活をおくっているのか予測することができます。一人っ子であればあまり人とかかわることをしなくても平気な子もいたりします。家族構成は子どもづかみをする上で大切な要素になります。

ほかの先生からの情報

子どもは先生によって姿を変えることがあります。特に、保健の先生が子どもの普段みせない姿を知っています。委員会や部活動などその子とかかわる先生方から様子を聞くことも子どもづかみになります。普段から交流しておくことが大切だと思います。

最後に色眼鏡でみない

多面的に子どもづかみをしたからと言って、それはあくまで過去の様子や家での様子で今の学校での姿ではありません。一年前はいろいろと問題をおこした子どもも今年は変わろうとしている場合があります。ある程度子どもづがみをしてもそれは全てではありません。今年はがんばろうと思っているかもしれません。決めつけるのではなく、あくまで参考程度に心にとめ今ある姿を認めていくことた一番大切だと思います。

若い先生方は子どもの見方の研修を

最近特に多くなってきたと感じるのが発達障がいといわれる特性をもった子ども達です。これはこちら側に知識がないと対応に苦慮することになります。最終的には医療機関や専門の先生方からの情報が必要になりますが、自分もそうでしたがその理解が十分できずに子どもとぶつかることが多くありました。理解をしたからと言ってすぐにどうにかなる問題でもないのですが。いろいろな子ども達がいることを理解し、適切にに対応することが必要です。集団生活になじめない子や偏った見方をする子など、気になる子どもがいる場合は特別支援の先生に相談したり、保健室の先生に相談したりしてその子の理解をする努力をしてほしいと思います。

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