先日、テレビでチーム担任制についてやっていました。2クラスを3人の先生で担任するというものです。教員不足なのになぜそんなことになっているのか?学校の現状について私なりの考えを述べたいと思います。
若い先生を守る苦肉の策
今の学校の現状は、団塊の先生方が大量に退職され、若い先生方が大量に採用されています。40歳代の先生は超氷河期の時代だったこともあり、非常に少なく、年配の先生か若い先生といった職員構成の学校が多いものと予想されます。今までは先輩の先生方から教えてもらいながら、学級経営や授業方法を身に付けてきました。しかし、若い先生が急激に増えている現状では、そのサイクルがうまくいかなくなってきました。若い先生がいきなり担任をして子どもや保護者への対応をしなければならなくなります。我々もそうでしたが若いうちは失敗の連続でうまくいかないことが多く、保護者から心配の声があがってきます。それに耐えられなければ、心が病む原因にもつながります。実は今までも隣のクラスの先生が日替わりでクラスを変わることなどをやったことがあります。これはベテランの先生と若い先生では学級経営の力がちがうため、若い先生にいろいろ教えていく意味もあり、子ども達にもある程度同じように指導していくという面からも行われてきました。そうした独自の動きを学校ごとで制度化したのがチーム担任制だと考えます。
初任者指導とチーム担任制の意義
初任者指導(専属で指導教員が配置される)という制度もあり、若い先生方は以前に比べれば、手厚く指導を受けることができます。しかし、初任者指導はあくまで正規の職員のみが対象です。非常勤の先生まではその予算はありません。つまり、非常勤講師の先生はいきなりベテラン教師と一緒に担任をしなければならないのです。(小学校の場合、非常勤であっても担任をしなければなりません。)チーム担任制は職員を育てるという意味ではとても必要な制度だと考えます。ここでの課題はそれだけ職員がいるのかという問題です。チーム担任制の場合、それだけ職員数は必要になるので、加配(定数より多くもらえる職員)の先生を多くしてもらうしかありません。そのため、全ての学年での実施は無理だと思います。若い先生方や心配の先生方への対応ではないかと思います。
若い先生が育つのを待つ
おそらくチーム担任制を実施している学校はそれほど多くないと思います。学校自体若い先生方が多くなっている状況ではある程度有効な方法だと思います。ただ、若い先生もやがて中堅、ベテランとなっていきます。それまでの当面の方法だと思われるので、国としても予算を付けてほしいと思います。若い先生が辞めずに力をつけていけば、長い目でみて教員不足は解消に向かうと思います。定年延長もはじまっているので、ベテランと若手がうまく組み合わされ、若い先生方が辞めずに力をつけることを願います。
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