四谷大塚事件と生徒指導への影響

四谷大塚の講師が女児児童へ猥褻行為をしたとして逮捕されました。こうした事件は昔からあり、教職員と児童生徒との不適切な関係など報道で聞くこともあります。ここでは事件そのものへのコメントではなく、生徒指導をする上でいろいろな影響がでることをここで申し上げたい。

文部科学省や教員委員会からの指導

こうした事件を防ぐために、学校ではコンプライアンスチャックや教職員研修が行われてきました。まず言われるのが、携帯やスマホなどのラインやメアド、電話番号の交換は禁止(保護者とも禁止)です。以前は緊急連絡網と言って、学級の子ども達の電話番号や教職員の電話も印刷して配っていましたが、個人情報の観点から一切なくなりました。2つ目に言われるのが児童生徒への身体的な接触はしないです。身体測定も1年生であっても女子児童は女の先生が対応し、内科検診も女子児童は女の先生が対応している学校が多いと思います。これぐら気を使っているのに、たまにそうでない学校のニュースで取り上げられると、正直まだそんな学校があるのかと思います。ここまでのことは生徒指導上なんの影響もありません。ただ、中学校での部活動では保護者との連絡にラインを使いたいという要望は強いですが’、基本、保護者同士はラインでつながってもらい、役員の保護者とは学校の電話でのやりとりになります。ただ、試合など休日の場合は結構不便なのは間違いないです。話はそれましたが、生徒指導での一番の影響は二人きりで個室での指導はしないといものです。

個室での二人だけの指導は基本NG

これはコンプライアンスチェックでは必ず入っている項目です。これは子どもとの不適切な関係にならないだけでなく、教職員を守る意味もあります。以前、裁判にもなったのが、保護者から小学校2年生の女子児童の体に触ったということで、訴えが起こされたことがあります。結果は無罪判決だったのですが、こうした問題も実は報道されないだけで、学校ではあったりします。そのため、生徒指導上の相談であっても児童生徒と個室で二人きりでの指導はしない。複数で対応するか、個室ではない場所で指導することとなっています。現場の教職員でなければ、何ら問題のないように感じるかもしれません。しかし、実はこれは結構、難しいことなのです。

緊急対応では職員の複数指導は難しい

子ども同士のトラブルが起きるのは突然です。すぐに対応しなければならないことが多いのですが、その時、複数の職員での対応は難しいのが現実です。特に小学校の場合、授業が始まると職員室は殆ど職員はいなくなります。校長、教頭、事務職員と空き時間の先生が一人いるかどうかです。トラブルが起きると担任が事情を聴くことになりますが、職員室から誰か来てくださいなとということはまず無理です。出張があって○○先生の代わりに授業に行ったり、体調の悪い子どもの世話をする先生がいたりなど、余裕などありません。相談は職員室など広い所で行うべきだと指導をうけますが、いじめの場合、他の子どもの目に触れないほうがいい場合もあります。中学校などではその子を守る意味からも個室で事情を聴かなければならない場合もあります。(事件対応をすると加害者側が誰か言ったのか詮索する場合があります。情報を提供した子どもを守る意味でも極秘に情報収集に当たらなければならない場合があります。)結局、個室に一対一での対応をせざる負えないのが現実なのです。

どのように対応すべきか

四谷大塚事件のような事件を起こさないでください。といっても今までも同様の事件は起きてきたのも事実です。文科省が言っていることも間違っていません。教育委員会からの指導もその通りです。でも現実は難しいと言っても仕方がありません。現状でできることは、管理職(教頭・校長等へ)の連絡と報告です。今〇〇の対応で児童生徒を○○室で状況の確認作業をします。と連絡を入れ、対応に当たることです。その後。状況の報告や対応についての相談をすることです。これで十分とは言えませんが、少なくとも不純な動機で子どもを個室へ連れ込んでいないことを示す手立てになると思います。また、その後を報告で相談の中身を示すことになります。十分とは言えませんが今できることはこれぐらいだと思います。何かいい方法あれば教えてほしいと思います。

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