水は必要ではあるが、いつもいるわけではありません。また、水は器によって形が変わるものです。私は生徒指導も同じように対応は変わるものだと考えます。生徒指導主事会に行くと、各学校での生徒指導での対応について話す場があるのですが、「○○のように対応しています。」「○○のように指導しています。」というようにその学校での指導方法を言われることが多くあります。正直、型にはまった指導のようで少し違和感を覚えます。自分の経験で言うと基本はあるのですが、子ども一人ひとり違うように、指導にも幅があるように感じます。ただ、こんなことを言っているので、若い先生方はどう対応していいのか困られると思います。そのため、生徒指導提要のように国が若い先生でもわかりやすいように指導方法を指し示すことになったのだと思います。私が感じる基本と幅について考えたいと思います。
その子にとって何がいいのかを考える
今、生徒指導の基本として言われるのが、子どもの気持ちを考え、頭ごなしに叱るのではなく諭していく。というように今の時代にあった内容が多いように思います。これは、その通りなのですが、状況に応じて変える必要がある思います。何度言っても繰り返す子どもに対して、諭して教えることには限界がある場合もあります。ある程度のショック療法的なものが必要です。体罰は決してダメですが、その子にとって厳しく指導する方が、その子のためになることもあります。人のものをついとってしまう。万引きを繰り返すなど。常習性が疑われる場合などです。万引きまでいくと警察の対応になりますが、学校でもつい人の物をとってしまう子どもがいます。その子に「人の物はとってはダメ」と繰り返し指導しても治らない場合があります。この時、いろいろなことが想像されます。なんらかの障がいがあるのか?経済的に苦しいのか?友達にいじわるをしたいのか?先生や友達から注目を集めたいのか?寂しくてかかわって欲しいのか?背景やその子の状況によってそれぞれで対応が変わります。話して諭すという基本はあるのですが、ある程度原因を考えた上で厳しく叱る場合や医療機関へつなぐ場合、保護者と一緒に話し合いを持つ場合など対応を変える必要があると考えます。
不要物を持ってきた場合の基本と対応の幅
学校に不要物を持っくる子がいます。その場合の対応について基本について書きまず。不要なも例えばスマホやゲーム機など不要物を学校に持ってきた場合は一旦、あずかります。指導をした上で保護者へ返すというのが基本になります。これもケースバイケースになるのですが、たまたま、不要物をもってきてしまった場合は、注意程度で指導しすぐに返す場合もあります。その判断は、日頃のその子の様子や状況により判断することになります。状況によっては保護者へ連絡をしないでこっそり返す場合もあります。生徒指導の幅は子に応じて、何が一番いいのかを考えた上での対応になる点です。ダブルスタンダードだいう指摘もありますが、これはあくまで私の考えなのですが、学校はあくまで教育の場であり、警察でも裁判所でもありません。したがって校則に違反したからと言ってすぐに罰を下すだけの場所ではないように思います。その子にとって将来を考えたときに、どのように指導すべきかを考えることが教師の仕事ではないでしょうか?
100円を弁償させるのか?100円だから弁償させる
ものを壊した時の考え方ですが、その子にとって弁償をさせた方がいい場合とさせなくていい場合があります。たまたま、壊してしまった場合は本人への指導のみで済ます場合もあります。他人のものを壊した場合は保護者へ連絡して相談してもらいます。弁償をさせた方がいいと考える場合はどういう場合でしょうか?これも、その子の今後を考えてのことですが、腹が立ったから何でもいいから物にあたり壊す場合、一度や二度注意しても繰り返す子もいます。このような場合はたとえ100円のものでも保護者に連絡して弁償をしてもらったほうがいいと考えます。なぜなら、それ以上の高額なガラスなどを割ってしまった場合、何万円も払わなくてはいけないからです。ここで、物を壊すと弁償しなけらばならいことを教える必要があります。よく100円ぐらいいいじゃないかという方もいらっしゃいますが、私は100円だから弁償させるべきだと考えます。100円ぐらいであればその子の小遣いでも支払うことができます。100円ぐらい弁償させてもと言われる方もいますが、意外と効果があります。たとえ100円であっても弁償させられるとそれなりにショックはあります。もしこれが1000円の物だったら1000円支払うことになると子どもだって考えます。これも一概に型どおりはいきませんが、基本的にはその子にとって何がいいのかを考え対応することが大切だと考えます。
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