不登校の子どもとその背景

NHKの番組で不登校の子どもが30万人もいるというものがやっていました。番組じたいはみていないので、どういった内容かはわかりませんが、学校現場にいて明らかに近年不登校の子どもの数は増えていると感じます。昔から不登校の子どもはいたのですが、以前は登校拒否と言って、クラスに一人いるかいないかだった記憶があります。しかし、少子化と言われ、子どもの数が減っているのにも関わらずこんなに多くの不登校の子どもがいることは異常事態とも言えます。なぜ、こんなに不登校の子どもが増えているのか私なりの考えを書きます。

不登校の子どもの状況

学校では長欠報告といって、毎月、7日以上の欠席者、3ケ月ごとで20日以上や30日以上、全欠席などの数字とその状況を報告しています。その数があまりにも多いため、担当の教師は取りまとめるために休みの日まる1日かかることもあると嘆いていました。それぐらい不登校の子どもの数はふえており深刻な状況であることはまちがいありません。こんなに多くの子ども達が不登校になったのには何か原因があるのだろうと思われると思います。テレビドラマではいじめが原因で学校に行けなくなったという設定がよくされますが、確かにそういった子どももいるとは思います。ドラマなので視聴者にわかりやすく説明するためにそのような設定になるのだと思いますが、現実はそんな簡単ではありません。一人ひとりの状況が違い、原因を一つに特定できないために有効な手段が打てない状況になっています。

不登校の一例

1.両親の離婚による精神的ダメージで学校にこれなくなった子。両親が離婚してもほとんどの子どもは寂しそうな顔をする時はありますが、不登校にならないのですが、感受性の豊かな子どもだったり、思春期の難しい時期だったりすると不登校になる場合がありました。2.目標を失って不登校になった子。中学で野球部のキャプテンをしている子がいました。いろいろあり、コーチ(教師ではない地域の方)から野球をやる資格がないと厳しく叱られたことがありました。叱咤激励のつもりでの指導だったのかもしれませんが、その状況をみていた教師からの話だとその時、そのキャプテンの子は崩れるように床にしゃがみ込んで泣きじゃくったと言います。その子どもは翌日から学校に来なくなり悪い方へいってしまいました。3.勉強についていけない子。(小学校に多い気がします)勉強が苦手な子は昔からいましたが、だからといってみんな不登校になるわけではありません。しかし、みんなと同じようにできない自分に対して劣等感のようなものをもち学校にこれなくなる場合もあります。4.優秀だから不登校になる子。(中学校に多い気がします)勉強がそこそこできてクラスでも上位の成績をとるような子でも突然、学校にこれなくなった子がいました。おそらく周りの子と一緒にいることに違和感を覚え何かなじめないものがあったようで、いじめがあったわけでも、トラブルがあったわけでもありません。どことなく何か違う気がするといったものがあり、その気持ちを抑えられなくなったのだと思います。子どもによって不登校になる状況はケースバイケースでさまざまです。その子の特性や家庭環境、学校での状況などいろいろなことがあり、不登校につながっているように思います。

不登校ではない子

では逆に、不登校にならない子はどう言う子なのかを考えてみたいと思います。正直、私自身も学校は好きではありませんでした。勉強は苦手でしたし、運動も得意ではありません。昔なのでいじめも普通にありました。でも学校は休まず行っていました。昔は不登校になることを親が許してくれなかった気がします。当時はそれがあたりまえでした。病気でもない限り学校を休むことなど許されない時代だった気がします。親が子どもが泣いてでも無理やり学校に行かせた時代です。一種の訓練のようなものでそれが当たり前になり、嫌だけど学校は行っていました。今はそんな時代ではないし、それが正しかったのかというと疑問にお思いますが。今の子ども達で普通に学校に来れている子はどう言う子かというと、先ほど不登校になった子の一例の子どもと大差ありません。親が離婚しても学校に来ていますし、勉強が苦手でも得意でも学校に来ています。もしかしたら、どの子も不登校になる可能性があるのかもしれません。

私なりの分析

では、突然、どんな子も不登校になるのかというと、そうではありません。わたしなりに感じたことを書きます。基本はなんらかの不安を感じている子が不登校になります。全てではありませんが、傾向としては、人とかかわるのが苦手な子ほどその傾向が強いように感じます。時代背景もあるのでしょうが、子どもの数が減り、地域で一緒に遊ぶ子も少なくなってきました。子供会などの地元の団体への参加することもなくなり、家庭そのものも地元や社会から孤立しているように感じます。核家族もほとんどで、母親が一人で対応しているように感じます。親戚にいってもいとこの数は限られています。子ども自身が社会性を身に着ける機会が少なくなっているのではないでしょうか。

どのような対応が必要か

番組の予告をみたときは、韓国のフリースクールの例を紹介していました。日本にもフリースクールはいろいろあるのですが、聞いたところ、お金がかなりかかるようです。経済的に可能な家庭はいいのですが、そうでない家庭には負担が多いようです。フリースクールほど充実はしていないのですが公的な機関でも不登校の子どもを受けれる体制はあります。SSWなど専門の職員を配置している所もあります。学校内にも教室に入れない子のための居場所もつくられつつあります。少しずつですが不登校の子どもに対する支援の体制はできつつあります。今の所模索をしながらの対応になるのですが、もう少し時間がたてば、何らかの対応の方法が見つかるのかもしれません。

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